その他婚姻を継続しがたい重大な事由
性格の不一致
離婚原因の第一位が「性格の不一致」ですが、決定的な理由がない場合には、この表現になるので、離婚が認められるかどうかは、ケースバイケースと言わざるを得ません。
セックスレス
セックスレスにより夫婦仲が不和になることが多く見受けられます。夫婦には「性交請求権」がありますが、いつでも相手に対してセックスを求めることができるとは考えられておりません。
しかし、拒否する理由もないのに一方的にセックスを長期間にわたり拒絶する行為は、夫婦の協力義務違反や、心理的・身体的虐待にもあたります。
また、身体的に性交不能の場合や異常な性交態様を求める場合に離婚を認めた判例があり、不妊についても、離婚原因になると考えられています。
DV
「婚姻を継続しがたい重大な事由」の代表的なものがDVです。DVは、不法な身体への攻撃なので離婚原因になるとともに慰謝料請求の対象にもなります。
ただし、暴力があれば、それがそのまま離婚および慰謝料請求の対象になるわけではなく、暴力に至った背景、暴力の程度、常習性の有無など、あらゆる事情を考慮します。
また、DVには、相手方を脅したり侮辱したりする精神的暴力も含まれます。身体的暴力と同様、離婚原因になるとともに慰謝料請求の対象にもなります。この精神的暴力に関しては、「妻から夫へ」のパターンが案外多いようです。
DVは、第三者の介入なしで解決するのは、非常に難しいと言えます。DVの加害者及び被害者には、心理的なケアやカウンセリングが必要でしょう。
家族との不和
世代や価値観の違う者同士が同居することで、様々な問題が生じます。その中でも特に「嫁と姑」の不和は深刻な問題となっています。
家庭裁判所に離婚調停を申し立てる動機のひとつとして、「家族親族との折り合いが悪い」という項目がありますが、夫婦の13%が家族との不和を理由にあげています。
信仰上の対立
憲法20条では、信教の自由を保障していますから、どんな宗教を信仰するかは個人の自由です。しかし、夫婦間で信仰が違うと、様々な問題が起こってきます。信仰が熱心であればある程その対立は深刻となります。
無宗教を装って婚姻後、信仰が発覚し、離婚に至ったというケースもありますが、判例の大半は、婚姻後に入信した宗教が原因です。特に子供など家族の不幸や病気、夫婦の不仲などから、妻が新興宗教にはまってしまうケースが多いようです。
宗教によっては、積極的な布教活動により、家事や育児をおろそかになるなど、夫婦の協力扶助義務違反となる場合もあります。